嫌われることを恐れなかった講師の態度とは?

リーダーシップ研修での出来事

ある社員研修の講師が、泊りがけのリーダーシップ研修で課題を出したときのことです。「夕食後のグループ研修の終了時刻は、グループごとに自主的に判断してください。明日の朝、よいアウトプットを期待しています」と言って講師は教室を出ました。20分後、夕食のため講師の仲間と一緒に100人くらい収容できる大食堂に行きました。グループ会社から多くの研修受講者が食堂に来ており、どこに自分が担当している受講者がいるかは分かりません。講師が空いている席を探していると、担当している研修受講者の6人くらいが談笑しながら食事をしているのが目に入りました。すると、そのうちの1人が缶ビールを飲んでいたのです。

相手の自尊心を傷つけない叱り方

講師は注意すべきか、それとも面倒なことになるのは嫌だから知らんぷりしてしまおうかと迷いました。その6人の受講者とは距離もあり、目が合ったわけではないので、気づかなかった振りをしてやり過ごすこともできたのです。しかし、講師はテーブルに近づき、ビールを飲んでいる受講者に穏やかに「ビールはやめなさい。今夜の課題が終わってから、ゆっくり飲みなさい」と言いました。すると、その受講者は「自己責任だからいいんじゃないですか」と軽く反論しました。講師は「飲みたいのは、ここにいる他のメンバーも同じだよ。アルコールは気が大きくなるだけで、頭脳の緻密さはなくなる。あと少し辛抱して、課題を終えてから気分良くみんなで飲めばいいじゃないか。研修のテーマはリーダーシップだよ。リーダーとしてのあるべき姿が問われているんだよ」と言いました。その受講者は小さくうなずいて、ビールを飲むのをやめたそうです。

mg研修は40年前にソニーが社員の研修用に作成したマネジメントゲーム(mg)を使って行う研修です。各自一人で経営者となり会社を経営することで経営者感覚を身につけることが出来ます。